50年前の作品!?『恍惚の人(こうこつのひと)』有吉佐和子

とりこです。

2021年初、小説を読み切ったぞ。放送大学の授業「認知症と生きる」で、社会現象になった1冊として紹介されていた本。

単行本は昭和57年と書いてあったので「40年前か…」なんて思っていたら、作品として世に出たのは1972年、約50年前だって!?

有吉佐和子『恍惚の人』

認知症老人と介護を描いた本。

井出訓教授『認知症をジブンゴトとして考える』という内容の授業の中で、紹介される本がこちら。

時代背景は昭和40年代、1970年代。洗濯乾燥機が出始めたり、共働き世代が増えたりと高度経済成長期!?もしくは終わったぐらいでしょうか。

学生運動の文字もあったような(うろ覚え)。杉並区が舞台。青梅街道を知っている人にはなんとなく「あの辺かな~?」なんて楽しめるかも。

過去青梅街道沿いに住んでいたので、なんとなく分かったことがちょっと嬉しかった。それはさておき。

約50年前に出版された本ですが、2021年になっても読み継がれている1冊。認知症の問題は50年前にはあった。

2021年の今になってもそこまで現状変わってないんじゃないか!?という考えさせられる内容。

この本は認知症をいち早く取り上げた画期的な本だったとか。お話に出てくる50年前の80代の男性はかなり長生きだったのでは?どうなんでしょ。

恍惚がまず読めなかった。こうこつって読むのね。

何度もテレビドラマにもなっていたことすら知らなかった。私より年上の人なら知っている作品かな。

読み切った直後はずっしり心の上に石置かれた感じ。重い、重かった。

長生きはいい事なのか?

老いた時にどうしてほしいか、どうなりたいか。主人公と重なる部分がたくさんあったかな、働く女性として、ひとりの女性として。

主人公の40代女性が、憎き姑をお世話するようになり、徐々に心変わりしていく姿は強いものを感じた。ハラハラしながら読んでラストのスッキリ感は救われたかもしれない。

有吉佐和子が描く女性、強いんだよ(過去に鬼怒川読んで思った)。ラストの主人公のように振舞えるか、私は無理。

ツラい時代を乗り越えた女性は凄かった。現代人とは背負ってきたものが違うか。

学んだことまとめてみた『認知症と生きる(’21)』【放送大学】

2030年ぐらいには…

2030年ぐらいには65歳以上の認知症高齢者は1000万人超えてしまうのではないか。私自身もあと数十年後には立派な高齢者。

いつまでも今の体と心と頭でいられない。だから今こうやって認知症の勉強をしているのか!?そうかもしれない。

授業を進めていって知識と理解を深めたい。有吉佐和子『恍惚の人』若い人に読んでほしいな、とりこでした。